覚悟を感じない仕事

近年の働き方改革などで日本人の仕事に対する価値観も大きく変化し、プライベートな時間を重要視する人が多くなった。その一方で、一つの仕事に対して覚悟を持ち、しっかりとした研究や準備をして、大きな成果を出そうと考えている人が少なくなった印象がある。しかし、これは社員側だけの問題ではないように思う。

人の価値観が多様化すると仕事の多様化を余儀なくされる。企業がこれまでになかった様々な分野に着手しなければならなくなると、人件費を抑えるためにいくつかの新しい分野を一人の社員でカバーさせようとするケースが多い。その結果、「複数の職種の両立」や「新しい分野」というハンデを理由に絞り出した小さな変化で満足してしまう。これが覚悟を感じない仕事を生み出す大きな要因ではないだろうか。何でも屋のような職種では、情熱やプロ意識が芽生えず、突出した成果はおろか、平均的な成果でさえも到達できない。

「自社ブランドや商品の価値を広めるために、SNSを効率的かつ効果的に活用する広報計画」

このように仕事の範囲を限定し、明確な目標を設定した上で、外部から実績と経験のある広報を招き、数日に渡って基本的な知識や技術の研修を実施すれば、経験が全くなくとも、きっと本気で結果を出そうとするはずだ。

歌手でも俳優でも芸人でもなく、基盤となる専門能力を持たないマルチタレントが10年経ってもほとんど進化していないように感じる人は少なくないのではないだろうか。