歌手の免許制度

スポーツ選手は一度引退すれば復帰することはほとんどないが、日本の歌手が一度引退してから復帰することはよくある。しかし、復帰した歌手が全盛期を超えるパフォーマンスをすることはめったにない。小さい頃に好きだった歌手の変わり果てた掠れ声や音程のズレに落胆したことが何度もある。子育てが一段落したので、もう一度やってみたいというお気楽な意思だけで、復帰ができてしまうプロ意識のない生ぬるい環境が存在する。これほど、歌手に甘い国は日本くらいではないだろうか。

スポーツ選手が試合に出るためには、過去の実績よりも周囲の監督や選手を納得させられる現在の実力が求められる。その一方で引退以降は長年の主婦生活などで歌唱トレーニングを一切していないにも関わらず、急に復帰して、楽曲販売したり、ライブをする歌手がいる。もちろん、その現状の実力でビジネスにしようとするレコード会社や運営会社にも問題がある。賞味期限切れの高級和牛を販売しているくらいの詐欺だ。ブランド肉の品質管理に厳格な基準があるように、歌唱力にも厳格な基準を作るべきだ。

ボイストレーナーやミキサーなどで組織を作り、発声、音程、リズムなどを半年ごとに厳正にチェックして、一定のレベルに達している人だけに歌手としての免許を発行するシステムを取り入れてはどうだろうか。歌手免許がないと楽曲販売やライブなど有料の活動ができない仕組みがあれば、ボイストレーニングを一切せずに自分の生活を安定させるためだけに引退を撤回する詐欺師を排除できるはず。いつか復帰することを前提に活動を休止する歌手はボイストレーニングを継続的に行い、免許を更新し続けるのではないだろうか。

ただ、この免許システムを採用すると、売上ランキングの上位を占めるアイドルグループのほとんどを同時に排除することになり、握手会専門のグループが急増するかもしれない。





基本力だけに限定した義務教育

日本の義務教育では9年間かけて色々なことを学ぶが、そのほとんどが大人になってからあまり役に立っていないのが現状だ。例えば、漢文、微分積分、科学反応式、鎌倉時代などの知識や能力を社会人になってから何割の人が活用できているのだろうか。義務教育とは、どんな道に進んだとしても役に立つような基本の知識や能力ばかりを養う教育であるはずだと思うが、実際は重要だとは思えないことに相当な時間を費やしているように感じる。

一般的に社会人になってからも活用できる機会が多いのは間違いなく英語だろう。日本には社会人を対象とした膨大な数の英会話学校や英語教材が存在する事実が、社会では通用しない教育過程であることを立証しているようなものだ。そもそも、英語とは発音も文法も違いすぎる日本語を母国語にする日本人にとっては、義務教育の間にあれだけの量の単語や文法を短期間で詰め込む学習スタイルに無理があるように思う。

「How do I get to Shibuya Station?」

中学教育では簡単な単語で構成されたこれくらい短い英文だけに限定して、聞き取りと発音が完璧にできることだけを目指すべきではないだろうか。必須の単語や文法を半分の量にしてでも簡単な英文が瞬時に浮かぶレベルにするべきだろう。街で外国人に尋ねられた一行の英文さえも聞き取れない状態で、単語や文法を詰め込んでも使える英語に発展するはずがない。どんなに速い英語で尋ねられてもリラックスして答えられる骨太な基本の力が重要なことに日本の教育者はそろそろ気づくべきだ。

サッカー少年は、ボールを止める蹴るの練習を毎日何度も何度も繰り返すことで、基本の力をつけていく。辛うじてボールを止められるくらいのレベルで、いきなりシステムや戦術を詰め込まれても、吸収できるはずはない。





動画広告の音量調整機能

スマホでも高画質の動画が観られるようになってからずいぶん経つが今でも不便なことが一つある。YouTubeのような無料動画配信サイトに頻繁に入ってくる動画広告の音量が安定しないことだ。

視聴中の動画の音量よりも動画広告の音量が異常に大きくなることが多い。ヘッドフォンで視聴中の場合は、その暴力的な音量に顔歪めてしまうこともある。さらに、それぞれの動画広告の音量も一定ではないので、何度も微妙な音量調整が必要になる。最近は、動画広告の頻度が高くなり、その音量調整の回数も増え、全く快適な視聴ではなくなった。最終的に微調整することが面倒になり、視聴することを断念したことも多い。

そもそも、こんな不快な思いをさせる動画広告に価値があるのだろうか。がさつに視聴を妨げる大音量の動画広告を通して、広告主、宣伝される商品、背景で流れる音楽すべてに対して嫌悪感を感じる人も少なくないだろう。イメージアップのための動画広告ならば、まずは音量が一定になっていなければ、スタートラインにも立てないように感じる。

スマホやPCから再生されるすべてのコンテンツの音量を自動的に一定にする機能をデフォルトで加えることはできないのだろうか。映像や音楽コンテンツ一つひとつを瞬時に厳密な解析をして、一定に聞こえる音量に調整してくれれば最高だ。ずいぶん前からiTunesのデフォルト機能として存在する全ての曲の音量を調整する機能の進化版と言ったところだ。感動するアプリを生み出す優秀なエンジニアが世界中にはいくらでもいるのに、この問題が解決されていないのが不思議だ。こういった問題にこそAIの技術を活用すべきではないだろうか。

音声で明日の天気を聞くことよりもAIの価値ある活用方法だと思う。「アレクサ、動画広告の音量調整機能を開発できるエンジニアをさがして!」